それが“ブーム”ってヤツの怖いところでね。技術的にはデタラメでも、芸の衝撃度とか物珍しさがあればブームになって、視聴率も上がるんだよ。だけど、芸人の実力が人気に追いついてきて「いい芸してるね」「技術があるね」なんて批評されはじめた頃には、もうブームは終わりに向かってるってことなんだよな。

 これがエンターテインメントってものの難しいところなんだけど、実は技術的にうまいか下手かというのは人気商売ではあまり問題じゃなくてさ。要は、衝撃的で、新鮮で、もう1回見たいと思えるかどうかってポイントに尽きるんだよ。「うまい漫才」を見たいってんなら、オイラより年上の大御所の漫才師たちが視聴率20%以上バンバン取れなきゃおかしいわけだけど、そうはいかないだろ。

ああそうですね。

まさに「成熟はブームの終わり」で、すべてのエンターテインメントってのは、技術が上がれば上がるほど食えなくなるという矛盾と戦っていくしかないんだよな。

すべてにわたってそうですけど、「新鮮フィー」ってのはそれくらい大事なんですよね。
マンガの単行本も1巻が1番売れるっていいますもんね。

アレっすよ、千原兄弟なんかはその新鮮フィーにことごとく運がなかったんですよね。それまでに売れなかったのはラッキーだったので、新鮮フィーはそれほど減らなかったし、いきなり大御所とかベテランまではいかないけど中堅の実力派って感じでそこにいて以降うまく溶けこんでますね。