――探偵と言えば「殺人事件」ですが、実際に殺人事件の解決を依頼されたことはありますか?

 この仕事をやってきて一度だけありました。ただ、これは僕がネットとかで顔を出していて、ある程度名前が知られていたからだと思うんですけどね。

――その事件は解決されたのですか?

 まさか(笑)。その依頼主には「警察に行ってください」と言いました。子どもの夢を壊すようなことを言って本当に申し訳ないのですが、「探偵が殺人事件を解決」なんてことは、現実ではほとんどないでしょうね。

まあそうだろうなあ。だから、最近の「リアル」な探偵モノのフィクションは、「カンタンな仕事と思っていた」からいろいろ巻き込まれるパターンだよね。

――最後に、探偵という職業の魅力を教えてください。

 やはり普通の仕事より楽しいからでしょうね。現代で、ハンターのような感覚を味わえるというか・・・。一度そういった感覚を味わってしまうと、ほかの仕事では満足ができなくなります。辛くても探偵の仕事を続けるのは、「たとえ生活が苦しくても演じるのが好きだから」という役者の感覚と似ているのかもしれません。

これが収穫。やっぱり「楽しい」んだね。浮気の現場をおさえるのって獲物を捕らえるのと同じ快感があるわけだ。

大学の知り合いに「なんでも屋」でバイトしていて、こういう浮気現場の調査なんて探偵のような仕事をよくやっていたなんてやつがいたなあ。ひたすら「待ち」の仕事だそうで。
いまだと、スマホとかあるからヒマをつぶせそうだと思うけど、それでシャッターチャンスを逃したり、尾行をまかれたらサイアクだろうしなあ。カンタンではないでしょうな。

ま、現在のところ素行調査をされてもないし、依頼してもないってのは平和なのか、それとも幸運なのか、それともそんな価値がないのか。