マガジン編集部 「残酷ですが、賞に入らない理由の9割は『画力不足』です。」:2chエクサワロス

http://exawarosu.net/archives/7524938.html

もしかしたら、今からもっとつらいことを言うかもしれません。でも、真実です。
なかなか賞に入らない新人作家のみなさま、賞に入らない理由の9割は「画力」です。
実もふたも無くてすみません。でも画力です。本当です。

画力があるのに、担当すらつかない、賞にもまったく入らないということはありません。
つまり、初期の段階では圧倒的に画力が大事です。でも、あまりにも実も蓋もなさすぎて、
画力不足を指摘する編集者が多くないのも事実です。その結果、新人作家さんを戸惑わせています。

この「画力」というのはいっときあった「文章力」のように定義が紛らわしいものだよなと思う。

この場合の画力は1枚絵的な画力だけでなくコマ割り含めてのトータルだと思う。

これです。

初めに戻って、画力とはなんぞや?だけどね、質問しますよ。あなたが決めて下さいね。これ僕勇気出して聞きますよ。実名出しますからね。次の三人で絵が巧いと思える順番をつけてみてください。

井◯雄彦、三浦◯太郎、福本伸行
[漫画家・森川ジョージ(WANPOWANWAN)先生、漫画の画力について語る - Togetter]

これです。

高橋 源一郎
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この大昔の書評本の松苗あけみ論にあった「絵と話をつくるのが上手い人がマンガ家になればいい、絵が下手で話が上手な人は小説家になればいい」というのがクサビのように刺さったままです。
マンガ家にとって絵が上手いとはなにか?っていつもボンヤリと考えてました。
とくに、これを読んだとき「ヘタウマ」ブームって、下手な絵のマンガが流行ってましたからね。

あと「笑っていいとも」に内田春菊さんが出演されたとき、「マンガなんかなにが描いてあるかわかればいいんですよ」というコトバ。これにも衝撃を受けております。

双方とも「画力」にたいする突き詰めた答えだと思います。

おれの中にある「(マンガにおいて)画力がある」「(マンガにおいて)絵がうまい」というのは、キャラがマンガのなかで呼吸ができていることとしてます。
つまり、マンガの中で動いている話してるその動作に不都合がないこと。話をすすめるにあたって、キャラの魅力を伝えるにあたって、不都合がないこと。

そのコマとそのコマの間はつながってないし、その建物の中にキャラは立っていないんじゃないか?という絵はしばしば目にします。
これは写実的ならいいってもんでもなく、トータルな意味でその世界とキャラと調和が取れてないとムリです。

そのためにはデッサンは必要でしょうがもっと総合的な意味でのコーディネート能力が必要だと思います。

つまり、画力=漫画力です。身も蓋もない話にさらに身も蓋もなくしたら逆にボンヤリした話になってしまったという。

画力なんていらねwww

面白ければいいんだよ!!

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エビスさんも画力なのか

つまりこういうヒトは画力というのをダ・ヴィンチモナリザあたりを基準に考えているわけです。

どうせなので蛭子能収さんのマンガの話も。

蛭子 能収
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この本に収録されている「少女地獄」という作品。
道を歩いているとアイスキャンディー売りが1本1万円の特別のアイスキャンディーを買わないか?と持ちかけてくる。それを買うと、アイスには小さい裸の少女がびっちりと固まって1本のバーになっている。
それをほおばるとクチの中で少女がほどけていき、動き出して身体の隅々にいきわたり内部から愛撫しはじめる。
そしてあまりの気持ちよさに悶絶しながら男は死ぬというものです。

これをみてすごく興奮しました。そしてしみじみと「蛭子能収のマンガで興奮してる」ということに驚きました。
絵はもう蛭子能収さんの絵です。アフィリエイトに貼り付けてあるコミックの絵のまんまです。
少女もどうみても熟女とかです。中途半端リアルな、トイレに描いてあるような欲望のままの女体画を多少洗練された感じです。
でも、生唾をゴクリと飲んだし、なんとなれば血気盛んなころでしたから「オカズ」にしたかもしれません。なにより今なお覚えてますからね。四半世紀どころじゃないくらい時間が過ぎているのに。

これは前述の面白ければいいんだ!とか蛭子さんも画力か?って問いの答えになると思います。

このマンガがおもしろいのには「画力」が必要です。そしてそれはたぶん「蛭子能収氏による画力」が必要だったと思います。

以前、マンガの感想サイトに別の萌えマンガ家にこの作品をリメイクさせたらさらにいやらしくていいんじゃないかと書きました。

それはたしかにいやらしくなるのはまちがいないとは思うのですが、蛭子能収作画の「おもしろさ」が消えてしまうのではと思い直したのですよ。

キャラを活躍させる舞台(キャラ自身も含めて)を充分に描画できる。それが「画力」というのだと思います。
サザエさんの絵で「GANTZ」の世界は描けないです。でも、GANTZの絵で「カイジ」も描けないのです。それはそれぞれのマンガ家の「画力」が効いてるからですね。

それが足りてないヒトが多いってことですよね。そのとおりだと思います。
お金もらってるヒト、すなわちプロのマンガ家でもできてないヒトがすごくたくさんいますしね。